宇宙・ドローン

NASAキュリオシティ、火星地表調査を遠隔操作で実現

NASAのキュリオシティ火星探査機は、地球と火星の間で綿密に調整された運用体制を通じて、赤い惑星の地表で着々と調査活動を進めている。米国航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)の火星探査機運用センターでは毎日、数十人のエンジニアと科学者が限られた時間のなかで探査機の健全性確認、科学データ分析、次の行動計画策定という重大な業務を手際よくこなしている。

厳密に計算された1日の運用サイクル

キュリオシティが火星での活動を終えると、火星周回軌道上を通過する衛星経由で地球に画像と測定データが送信される。受け取ったデータを分析するため、運用チームには朝の8時15分から3時間という限定的な窓が与えられている。この3時間で探査機の状態確認と科学データの検証を済ませ、翌火星日の活動計画を合意形成しなければならない。その後さらに4時間をかけて、安全性と資源制約を検証した上で、明日の探査機コマンドに変換していく。火星が昇ると、キュリオシティは地球に向かって新たな指令を待つ。2012年の着陸以来、このサイクルを1000回以上繰り返してきた運用チームの手腕が、ミッション成功の鍵を握っている。

ゲール・クレーターで見つかった生命の痕跡

キュリオシティが調査するゲール・クレーターのエオリス・モンス山は、約35億年前の環境履歴を記録する堆積岩層を擁する。探査機はこれまでに垂直で約1キロメートル分の岩層を登攀し、粘土質の泥岩層から、より高い標高の塩分豊富な砂岩への地層変化を観察してきた。液体の水が流れる川と湖が数百万年間存在した後、気候が乾燥化し砂丘が拡がったことが判明している。湖底の堆積物から採集した試料には有機分子(炭素系分子)が含まれており、微生物が地球上で利用するのと同様の化学物質も検出されている。これらの条件は、かつてゲール・クレーターが生命を支えられる環境にあったことを示唆している。

乾燥期さえ生命を育んだ可能性

最新画像から、エオリス・モンスの高い乾燥した地層にも塩分や水による浸食痕跡といった古い水の存在を示す兆候が見られている。火星の気候が乾燥化した時期でさえ、地下水が表面に湧き出して砂丘の間を流れる小川が存在したとみられる。こうした発見は、火星の乾燥期における生命生息の可能性を新たに提示しており、地球の実験室で採集サンプルを直接分析することで初めて、生命が実際に存在したかどうかを決定的に判断できるとされている。

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