ビジネス・投資

ルネサス、北京にPhysical AI研究所を開設

フィジカルAI戦略を加速させるため、ルネサス エレクトロニクスが北京に新たな研究施設を開設しました。2026年8月31日に発表されたこのPhysical AI & Robotics Labは、次世代ロボティクス・システムの実証検証と共同開発を支援する専用拠点となります。

ロボット開発における課題解決

フィジカルAI(Physical AI)は、デジタル環境に留まるAIから一歩進んで、物理世界で動作するシステムへとAI技術を応用する領域です。従来のAIと異なり、リアルタイムで安全に周囲を認識し、決定を下し、行動する能力が求められます。特にヒューマノイドロボットは、組み込み処理、センシング、アクチュエーション、電源管理、ソフトウェア、開発ツールの統合が必須となり、その複雑さは急速に高まっています。ルネサスは7月1日にPhysical AI部門を新設し、この分野を重点事業として位置付けています。

中国市場での戦略的展開

北京施設は単なる製品展示機能にとどまりません。ハードウェア、ソフトウェア、AIモデリング、制御システム、電源供給、センシング、システムレベルの検証を統合し、ソリューション開発から展開までの全工程を支援します。中国はロボティクスの革新と普及において世界的リーダーであり、顧客基盤、協働的なエコシステム、包括的なサプライチェーン体制が充実しています。ルネサスはこの施設を通じて顧客、エコシステムパートナー、大学、スタートアップと密接に協力する考えです。

事業展開への道筋

ルネサスはヒューマノイドロボットのBOM(部品表)のうち、現在約30%のソリューション提供が可能とされています。制御、電源、センシング、AI、ソフトウェア、エコシステムソリューションの強みを活かし、これを70%まで拡大する機会を見据えています。同社は自動車・産業分野での数十年の経験を背景に、機能安全、エッジAI、クラウドベース電子機器開発プラットフォームRenesas 365を組み合わせ、顧客をサポートする方針です。ロボティクス業界全体の成長加速が期待されます。

関連動画

シェアする