ヒューマノイド

Agility Robotics、Digit5で二足歩行ロボの進化完成

Agility Roboticsが10年以上の開発期間を経て、ヒューマノイドロボット「Digit」の5代目となる最新モデルを発表した。オハイオ州立大学のダイナミクスロボティクス研究室に端を発した同社は、現在では全米3拠点に400人以上の従業員を抱え、年間1万台規模の生産能力を備えるまでに成長している。

二足歩行から人型へ、15年の技術進化

Agility Roboticsの技術進化は、二足歩行ロボット「Cassie」からスタートした。Cassieは高速走行に最適化された設計で、ダチョウに似た脚部構造が特徴だった。同社共同創業者兼最高ロボット責任者のJonathan Hurst氏によれば、Cassieは研究開発段階を象徴するロボットだという。ダチョウが時速40マイルで走行し続ける能力に着想を得た脚部設計は、2016年に初めて試験を実現した。2022年にはCassieが100メートルを無転倒で24.73秒で走破し、二足歩行ロボットとしての世界最速記録を樹立している。

2017年に商用化を視野に入れた「Digit」の初代が登場し、その後の発展段階では実務運用へのシフトが顕著だ。Digit 3(2019年)の時点で同社は初めてロボットの商用化に踏み切り、宅配業務と倉庫での箱の積み重ね作業に活用する構想を示した。最大18キログラムまで対応可能な把持能力を備えており、フォード・モーター・カンパニーが初の購入企業となった。自動運転配送車との組み合わせで顧客の玄関までの配送実現を検討するという戦略だ。

実運用環境での検証から次世代へ

2023年にリリースされたDigit 4は、同社の鳥類型脚部設計を採用した最後のモデルとなった。倉庫・流通センター向けの実務タスク遂行を想定した設計で、プラスチック製トートなど小売・流通現場で一般的な物品の把持・移動・配置に対応するエンドエフェクタが新たに搭載された。トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・カナダ、GXOロジスティクス、シェフラーといった大手企業での実装が進み、得られた知見が次世代開発に活かされている。

Digit 5では、ロボットが実際に稼働する流通・製造施設での実践的要件を中心に設計されたとされる。過去バージョンの成功と課題から生まれた最新モデルは、産業用ロボットとしての実装段階への移行を象徴している。10年超の開発を通じた段階的な改良は、人型ロボットの商用化が着実に進む市場環境を反映している。

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