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カエルの筋肉で動く、中国科学院のマンタロボット

生物の筋肉をロボットの駆動源に利用する研究が新たな段階を迎えました。中国科学院の瀋陽自動化研究所(SIA)は、ウシガエルの脚から採取した骨格筋を使用して、無線制御のマンタロボットを開発し、その筋肉が安定した駆動力を発揮することを実証しました。この成果は、生物とロボットを融合させる「バイオハイブリッドロボティクス」分野における重要な進展とみられています。

天然筋肉が電動モーターを上回る性能を発揮

研究チームが採用したのは、ウシガエルの脚から取り出した薄筋(gracilis muscle)です。従来の方法である培養細胞から再構成された人工筋組織と異なり、天然の筋肉は進化の過程で最適化された繊維配置を保持しています。この自然な構造が優れた収縮性能をもたらすという仮説のもと、研究チームは天然組織の採用に踏み切りました。最適化された電気刺激条件(1Hz、5V、10ミリ秒パルス)下では、筋肉は約6.5ニュートンの安定した収縮力を発揮し、より強い刺激では9.4ニュートンのピーク値に達しました。筋肉の長さは約25パーセント短縮され、11日間にわたって電気応答性を維持し、7日間にわたってロボットを確実に駆動することができました。

バイオハイブリッドロボティクスが直面していた課題

SIAチームは2022年に、培養した骨格筋組織を使用したマンタロボットの試作機を完成させています。しかし重大な限界が存在していました。人工的に再構成された筋組織は出力力が弱く、これが既存の筋肉駆動ロボットの速度と機動性を制限していたのです。天然筋肉を直接利用することで、この力不足という根本的な問題に対処することができました。電気刺激を与える際、研究チームは無線光電子神経刺激システムを組み合わせることで、外部電源との有線接続を不要にしています。生物の体内でアデノシン三燐酸(ATP)が機械的エネルギーを供給し、電気信号が筋線維の収縮を誘発する自然な仕組みを、バイオハイブリッドロボットでも再現することになります。

次世代ロボット設計への示唆

今回の成功は、複雑で嵩張る電気機械部品をコンパクトで効率的な生物学的なアクチュエーターで置き換える可能性を示しています。数億年の進化で完成された筋肉は、強力な収縮力と高速応答性、そして自身が機械伝達機構として機能するという特性を備えています。バイオハイブリッドロボティクスが、微小規模のロボットから大型システムへと適用範囲を広げていく際、天然筋肉の活用がどの程度まで実用的かが今後の重要な検証課題となるでしょう。

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