大腸内視鏡検査の自動化に新展開。Neptune Medical が開発した医療用ロボット「Triton 1」が米食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。同社は同システムを、スクリーニングから治療まで大腸内の全領域に対応する柔軟な内視鏡検査プラットフォームとして位置付けています。
ロボット技術で内視鏡検査の精度向上へ
Triton 1 は、従来の手動式内視鏡が持つ操作上の課題を解決するため設計されました。現在の内視鏡装置は構造的な制限があり、専門的な訓練を受けた医師であっても精密な操作が困難とされます。装置の不安定性により大腸の不完全な観察につながり、前がん病変(腺腫)の見落としが生じ、ひいては大腸がんのリスク増加につながる懸念がありました。Neptune Medical のロボット技術は、このような臨床上の課題に対してロボット精度と安定性をもたらすとされています。
2024 年実施の初の臨床試験「CARE 1」では、Triton 1 が主要評価項目を達成し、有害事象なしで 100% の盲腸到達率を示しました。特筆すべきは腺腫検出率で、業界基準の 35% に対して 54.2% という高い成績を記録しています。
医療従事者の負担軽減も実現
大腸がんは米国におけるがん死因の第 2 位であり、50 歳未満の若い世代にも増加傾向があります。大腸内視鏡検査は前がん病変の検出と切除が同時にできる唯一の検査法として、スクリーニング・診断・治療における金標準とみられています。
CARE 1 試験では、医療従事者の労働負荷も検証されました。NASA-TLX スコアに基づくと、Triton 1 は手動での大腸内視鏡検査と比較して平均的な負担が 67% 低かったと報告されています。患者の体位変更やお腹への圧迫、手動への切り替え操作も不要だったため、内視鏡医学の臨床現場における効率化の可能性が示唆されました。
カリフォルニア大学アーバイン校の消化器内科責任者は、スクリーニングと治療を大腸の全域で効率的かつ徹底的に実施できるシステムとしての価値を指摘しており、今後の臨床研究参加への意思も表明しています。Neptune Medical は 2024 年にシリーズ D ラウンドで 9700 万ドルを調達し、事業基盤を強化しています。
