物理的なAI技術が製造現場の自動化を根本から変えようとしています。ファナック・アメリカが9月に開催される国際工作機械展示会(IMTS 2026)に出展し、ロボティクス、CNC技術、そしてフィジカルAI(Physical AI)を統合した次世代の自動化ソリューションを実演します。
知覚と判断を兼ね備えたロボット
フィジカルAIの核となるのは、ロボットが実世界の環境を「見て」「判断し」「行動する」能力です。ファナック・アメリカのマイク・チッコCEOは、この技術が製造業を「複雑なタスクをより高い知能と適応性を備えた自動化」へ導くと述べています。Google Cloud、NVIDIA、Amazon Web Services(AWS)といった業界リーダーと協働して開発が進められており、実用段階に入りつつあります。
IMTS 2026では、Google Cloudとの共同デモンストレーションとして、手書きの指示を解釈してロボットが部品を識別・配置するAIエージェントの実演が予定されています。さらに自然言語コマンドにより、生成AIを用いたPythonコードとロボットプログラムの自動生成も展示されます。これにより音声指示だけで複雑な作業を実行するロボットの実現が近づいています。
複雑タスク自動化への応用
具体的な応用例として、デュアルアームロボット「CRX-5iA」によるコネクタ組立作業が展示されます。ビジョンと力センサーデータを組み合わせることで、高精度な挿入作業を自動実行する仕組みです。並行してInbolt Physical AI技術とNVIDIA処理を活用した、移動物体への自動ボルト締付けデモンストレーションも行われます。
CNC加工領域では、AIを用いた最適工具経路生成、ユーザー指示に対応したインテリジェント自動プログラム生成、デジタルツインに基づく自動加工改善、さらに自律的な故障復旧デモンストレーションなど、多層的なAI応用事例が紹介される予定です。デジタルツインと仮想立ち上げ技術を組み合わせることで、プログラミング時間の短縮と自動化の迅速な展開が実現しようとしています。
