協働ロボット大手のProductive Roboticsが、IMTS 2026で人工知能(AI)を搭載した新型7軸協働ロボット「OB7-AI」を発表した。同社が10年以上にわたって展開してきた独自のティーチング技術に、物理的AI(Physical AI)を統合することで、CNC工作機械の自動化タスクに要する時間をさらに短縮できるという。
プログラミング不要で機械学習を実現
OB7-AIの最大の特徴は、新たなAI訓練サイクルを必要としない点にある。従来の協働ロボットは、新しい部品や作業に対応する際にAIの学習プロセスを実施する必要があったが、OB7-AIは製造現場ですぐに運用できるように設計されている。ロボットは機械の作業領域を自動的にスキャンし、ワークテーブル上の部品の位置を学習する。オペレーターは部品を正確に配置する必要がなく、各部品の間に「指が入るスペース」があれば十分で、グリッパーが自動的に部品を把握できる。これまでのティーチング技術との組み合わせにより、プログラミング経験を持たないスタッフでも簡単に導入・運用が可能になった。
ビジョン処理で完全自動化を実現
OB7-AIはCNC機械との連携において、ビジョンシステムを活用した包括的な自動化を達成している。ロボットは部品を検出した後、工作機械のドアを開け、バイスに部品を装着し、ドアを閉めてスタートボタンを押す。加工完了の判定はCNC画面を読み取ることで行われ、その後ドアを開けて完成品を取り出し、このプロセスを繰り返す。Productive Roboticsは同社の7軸ロボットが従来の6軸モデルとは異なり、人間のような器用さで障害物を回避できるため、既存の作業スペースを再設計する必要がないと説明している。
製造業から研究機関へ展開予定
Productive Roboticsの経営陣によると、自動車およびCNC加工業界がこの物理AI搭載ロボットの主要市場となるとされる。同時に、工場現場以外の領域、特に研究機関や医療分野への応用も視野に入れており、産業用途の枠を超えた展開が検討されている。米国での設計・製造・サービスを手がける同社の戦略が、今後どのように日本の製造業に波及するかが焦点となる。
