ロボティクス企業のLocusロボティクスが、自動倉庫ロボットの大きな課題であるピッキング時の把持技術を強化している。同社は2025年3月に視覚認識型ピッキングアームを搭載した移動マニピュレーター「Locus Array」を発表し、その後Nexera Roboticsを買収することで、汎用的な把持を実現させようとしている。
ソフト素材グリッパーが解決する課題
Locusが買収したNexera Roboticsの最大の特徴は「NeuraGrasp」と呼ばれるソフトエンドエフェクター技術だ。小型容器から多孔質ポリ袋、布製品まで幅広い品目を把持できる柔軟な把持機構で、Nexeraは買収前に6世代以上の製品改良を重ねていたとされる。現在の倉庫オートメーションでは吸着式グリッパーが主流で、60〜70パーセントの作業には十分だが、30〜40パーセントの複雑な品目には対応できない課題があった。NeuraGraspは吸着とピンチングの両方を組み合わせることで、この課題を埋める可能性を秘めている。
タイミングが一致した両社の統合戦略
Locusの自律移動ロボット(AMR)は既に80億回以上のピッキングを実現してきたが、より多くの品目種別(SKU)に対応する必要があった。Nexeraは技術を市場規模で展開することを目指していた。両社の利害が一致したのは2025年の業界展示会「MODEX」だ。Locusが早期市場向けにArrayを計画していた時点でNexeraと接触し、統合することが決まった。興味深いことに、Arrayは設計段階で既に気源、電源などのNeuraGraspに必要な基盤を備えていたため、統合作業が比較的スムーズに進んだとされる。
データ収集と最適化の次段階
現在Locusは標準的な吸着式グリッパーを搭載したArrayを顧客に段階的に配備している段階にある。買収したNeuraGraspの技術が次の段階で統合される予定で、公式展示時にはNeuraGrasp搭載版が登場すると見られている。LocusのRoy Belak上級副社長は、多数の顧客がArrayに強い期待を寄せており、実環境でのデータ収集を通じて技術の最適化が進むと述べている。業界全体としてもピンチ式把持の採用が進むと予想されており、NeuraGraspの市場投入がロボティクス業界の把持技術の進化をどこまで加速させるかが注視されている。
