ロボティクス企業のLocusロボティクスが、ロボット産業における最大課題の一つである「把持(はし)」技術の獲得に動いている。2025年3月に自社開発のビジョンガイド式ピッキングアームを搭載したモバイルマニピュレータ「Array」を発表した同社は、その後2026年にNexeraロボティクスを買収。同社の軟性グリッパー技術「NeuraGrasp」を統合することで、より広範囲の物品ハンドリングを可能にしようとしている。
軟性グリッパーが埋める技術的ギャップ
ロボット産業全体を見渡すと、把持技術はスプリングベースの吸引把持とピンチ把持の二つに大別される。倉庫作業では吸引把持で全体の60~70パーセントの作業をカバーできるが、残り30~40パーセントの複雑なケースに対応するには限界があるとされている。NeuraGraspはスプリングと吸引の両方を組み合わせた設計で、容器から多孔性ポリ袋、布製品まで多様な品目をハンドリング可能だ。Nexeraは買収当時までに少なくとも6世代を重ねてこの技術を磨いてきた経緯がある。
統合の時機が もたらした好機
LocusがArrayの開発を進める段階でNeuraGraspを組み込むことは、通常であれば困難を伴う決断だったはずだ。しかし幸運なことに、Arrayはすでに空気供給、電源供給など新しいグリッパー技術に必要な基盤を備えていた。両社はMODEX 2025で出会い、Locusが初期段階での市場展開を準備していた矢先の統合であったにもかかわらず、技術的互換性を確保することができた。Nexeraの経営陣は、Locusというスケールのあるパートナーとともにこの技術を広範に展開したいという想いを共有していたという。
顧客の需要と今後の展開
Locusは現在、元々の吸引式グリッパーを装備したArrayを顧客に配置する初期段階にあり、新技術からもたらされるデータはまだ本格的には流入していない。しかし複数の顧客がArrayへの導入に強い関心を示しており、今後のデータ収集とその最適化に期待がかかっている。Nexera技術の搭載版は、Arrayが次回公開展示されるときには統合されている可能性が高いとされており、多様な運用環境での実装と改善が進むことになる。
