ロボット産業の小型化が進む中、スリムな中空シャフト型エンコーダが新たに市場投入されようとしている。コンパクト設計の産業用ロボットや精密モーション制御システムに対応する新製品として注目を集めている。
狭い空間での精密制御を実現
中空シャフト型エンコーダ(hollow shaft encoder)は、回転軸の中心を貫通させる構造が特徴だ。従来の据え付け型エンコーダと異なり、軸自体が空洞になっているため、電源ケーブルや制御信号線をシャフトを通して配線できる。今回発表された新型製品はさらに薄型化され、既存モデルよりも外径を縮小しながら、高い分解能(resolution)と信号精度を両立させたとみられる。
ロボットアームの関節部や自動搬送車(AGV)の駆動輪、精密工作機械の主軸など、限られたスペースにおける回転角度検出の需要は増し続けている。狭い筐体内で複数の動作軸を制御する際、配線スペースの確保が実装上の課題となるケースが多い。スリム設計により、こうした設計上の制約を緩和できる利点がある。
小型化と機能の両立が競争力
エンコーダは産業用ロボットやNC機械、ドローンなど様々な機器の動作精度を左右する重要部品だ。位置情報(position feedback)をリアルタイムで制御システムに供給し、モータの回転を正確に管理する。新製品は薄型化に伴う機械的強度の低下を抑えるため、軽量高強度の素材採用や内部構造の最適化が施されているとされる。
日本の産業用ロボット市場では、小型協働ロボット(collaborative robot)や精密アッセンブリシステムへの需要が高まっている。スリム中空シャフト型エンコーダは、こうした次世代ロボットの開発競争において、エンジニアの設計自由度を広げる有望なソリューションとなりうる。トヨタ自動車やファナックなど大手メーカーの自社製品開発にも採用される可能性は十分あり、サプライチェーン全体での普及も見込める状況だ。
新型エンコーダの市場投入時期や日本国内での流通体制がいつ整うかが、今後の業界動向を左右する要素となるだろう。