PSYONIC、ABBロボティクスと提携「人間らしい器用さ」をロボットハンドに実装へ

ロボットハンドの知覚技術を開発するPSYONICが、スイスに本拠地を置く産業用ロボット大手のABBロボティクスと戦略的パートナーシップを発表した。人間の触覚に近い感覚フィードバック機能をロボットの手指に組み込み、製造現場や医療分野での作業の精密度を飛躍的に向上させる狙いである。

触覚フィードバック技術が解く「ロボット器用さ」の課題

従来の産業用ロボットアームは視覚情報を中心に作業プログラムを実行してきたが、微妙な力加減を必要とする組立作業や検査業務では限界があった。PSYONICが開発した触覚センサ技術は、物体との接触時に生じる圧力分布をリアルタイムで検知し、ロボットのコントローラに信号を返す仕組みとみられる。ABBの既存ロボットアーム製品に同社の知覚技術を統合することで、食品加工から精密機器組立まで、より人間的な「手加減」が必要な作業への対応が可能になるとされている。

提携が生み出す産業応用の可能性

ABBロボティクスは年間数万台のロボットを世界各地に供給する業界大手であり、この企業との提携によってPSYONICの技術は急速に普及する環境が整った。日本の製造業でも自動化とシステムの柔軟性を両立させる需要が高まっており、特に少人数で多品種生産を行う中堅製造業にとって触覚フィードバック搭載ロボットは競争力強化の切り札となりうる。両社は2026年中に統合ソリューションの試作版を顧客に提供する予定だという。

今後、触覚機能を搭載したロボットの商用化が加速すれば、ロボット導入の障壁が低下し、中小製造企業における自動化普及率の向上に直結する可能性が高い。

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