AI・ソフトウェア

デジタルツインで自動化を事前検証、製造業の投資リスク削減

自動化導入前に仮想空間で検証、資本投下のリスク軽減

製造業が直面する労働力不足や生産効率の課題を解決する手段として、ロボット自動化への関心が高まっている。しかし自動化導入には高額な資本投下が必要であり、多くの企業が慎重姿勢を強めている。1400以上のロボットブランドから選定できるうえ、エンドエフェクタやペリフェラルを組み合わせると無限に近いバリエーションが生まれるため、どの装置を選ぶべきか判断が難しい。ロボットのサイズ選定から床面積の確保、投資対効果(ROI)の算出、既存機械との統合、ベンダーロック問題など、検討すべき事項は枚挙にいとまがない。グローバルな経済不確実性と上昇する エネルギーコストが経営判断をさらに複雑にしている。

デジタルツインで実装前に最適解を探索

こうした課題の解決策として、デジタルツイン(digital twin)ソフトウェアが注目を集めている。デジタルツインは、ロボットセルの仮想モデルであり、ロボット本体だけでなく、エンドオブアームツーリング、治具、コンベア、センサ、オペレータ、周辺機器まで含めた統合的なシミュレーションが可能だ。従来の静的な図面やCADレイアウト、スプレッドシートでの検討と異なり、動的なシミュレーションを通じて実装後の動作を可視化できる。デジタルツイン上で、ロボットが必要な全ポジションに到達するか、軌跡やツールパスが正適か、サイクルタイムの見積もり、衝突リスク、オペレータアクセスと保守スペースの評価といった複数の検証を同時に行える。物理的なセットアップを試行錯誤する場合と比べて、時間的・経済的コストを大幅に削減できる。

CNC機械オペレーション検証の具体例

CNC機械自動化の事例では、デジタルツインの有用性が顕著に表れる。ロボットが部品を装着し、加工サイクル待機後に完成品を取り出すという一連の流れは、カタログやオンライン動画では単純に見える。だが実際のシミュレーションを行うと、チャック動作時間や部品の沈降時間によって予想より長い待機時間が生じることが判明する可能性がある。CADファイルをインポートして配置を検証すれば、特定のグリッパでは部品形状に対応できないこと、デュアルグリップ設計が工程改善につながることなどが発見される。さらにレイアウト制約、衝突リスク、安全性やワークフロー上の問題も明らかになる。デジタルツインは自動化導入検討の初期段階で実装を完全に決定する前に、最適な構成を探索するための強力なツールとなり、曖昧な構想から根拠ある投資判断への転換を支援する。

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