自動運転車とヒューマノイドロボット向けの知覚AI処理に特化したチップが登場した。インディ(indie)が新型エッジAIシステムオンチップ(SoC)を発表したもので、端末側でのリアルタイム画像認識と意思決定を高速に実行する設計が特徴だ。

エッジ処理で実現する低遅延知覚

従来のAI処理はクラウドサーバーに依存していたが、このSoCはデバイス自体で深層学習(ディープラーニング)推論を完結させる。自動運転システムやロボットが周囲環境を認識して即座に動作判断を下す際、ネットワーク遅延が生じないのは大きな利点となる。センサからの入力から処理、出力までの応答時間が数百ミリ秒単位に短縮されるとみられ、衝突回避やリアルタイム動作制御が必要な用途で信頼性が向上する。

特に自動運転の場合、通信遅延による事故リスク低減が重要課題だ。インディのSoCは複数カメラやLiDAセンサの並列処理に対応し、多角的な環境認識を支援する構造となっている。

自動車とロボット産業への波及効果

自動運転ベンチャーと従来の自動車メーカーの双方がこうしたチップの採用を検討し始めており、産業全体での競争激化が予想される。ヒューマノイドロボット分野でも、本チップは四足歩行ロボットや物体操作ロボットの知覚システムに組み込まれる見通しが高い。作業現場で人間との協働が増えるなか、安全で応答性の高い認識能力は必須要件となっている。

日本メーカーの多くもエッジAI推進を掲げており、トヨタやソニーグループなどの提携話が近い将来浮上する可能性がある。半導体の自給率向上を課題とする国内産業界にとっても、こうした専用チップの国産化検討は戦略的な意義を持つだろう。インディの技術がグローバル標準の一角を占めるかどうかで、今後の業界地図が塗り替わる可能性も視野に入れておく必要がある。

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